冷酷バカをやっつけろ



私はわんわん泣いた

ガラにもなく

もう大人なのに


「本当、

木下くんは子供だなあ。

はっはっは。」


「あぁ?」


「ちょ、あれ?

なんで急に戻ったの?」


「部長、有給休暇とらせてください」


無茶苦茶な頼みごとだが

今は仕事しても失敗するのが目に見てる


「…あぁ、わかったよ。

働けるような気分じゃないだろう。

ゆっくり休むといい。明日は元気でな。」


優しく微笑む部長

こんなときに優しさは卑怯だ


「ありがと、う…ございま…す…ぅ」


また涙が溢れてきた


「あっはっは、

部長はねえ、

木下くんの元気な姿を見てると

僕まで元気になるんだよ。

だから頼むよ、僕の元気のもとだからね」



なんか、

心がじんわり温まった。



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