ノア′世界
第一回
[1]ノア
私は夢を見た
「どうして素直になれないの?
やめて
「お兄ちゃんとは大違いね
言わないで
「貴女はもうだめだわ
それ以上言わないで
「だから…
私達の前から消えて。
これは夢
…本当にユメ?
1.⁇⁇ ⁇⁇
ーここはどこ?
すっごく広い部屋に瑠璃色を貴重とした家具家具。
そしてそれを引き立てるシャンデリアとアロマキャンドル。
…綺麗。
気が付くと、まるでお姫様が住んでいるような、そんな部屋に私はいた。
詳しくは、ベッドの上にいた。
窓から入ってくる暖かい光が心地良い。
「イテッ!」
夢かと思い、頬をつねって見たが痛かった。(涙目)
現実なのか…。
…現実なのか?
それにしても、どこに居るのかが
わからない以上、ここに居続けるわけにはいかない。
少し探検でもしよう。
正直、ふっかふかのベッドからはでたくはないなー。
でもー…
そう思ったとき、部屋の向こう
から足音が聞こえてきた。
こちらにだんだん近付いてきているみたい。
(も、もしかしてゆ、誘拐されたとか?!)
. . . . .
…私なんかが、そんな事されるわけないか(笑)
そして、こんな豪華な部屋で拉致されるはずもない。
そんなことを考えてると部屋の前で足音は止まった。
ドアが開かれていく。
怖さも少しあったが、私は見ていた。
そしてドアから…
一人の男の人が出てきた。身長は175cmくらいで細身、私の2つ上の18歳かな?に見えた。髪は青に近い黒色でサラサラ。
なんと言うか、全てが整っていた。
「気がついたみたいだね」
「………。」
ん?
「君、大丈夫?」
「え?あっ!」
そんなことを考えてると彼が私の近くにきて喋っていた。
気づかなかった…私としたことが。
「大丈夫?城の庭の前で倒れてたから」
…城の庭の前?
「私が…ですか?」
「うん。覚えてない?僕が城に戻ったときに、庭の前で君が倒れていたんだ。それで僕の城にひとまずね。」
城って何?どーいうこと⁇
「覚えてないです…」
パニクる。
本当に覚えてない。
「そう…。君、名前は?」
「ノアです。」
真剣に覚えてない。
「君、髪の色といい君は王族の方かな。家はどこ?」
…あれ?私、今まで何していたっけ?あれ?覚えてないのて…。
全部⁇
本当に何もわからない。覚えてない。家もわからない。城の事もなんのことかわからない。
っていうより、これまでの事がわからない…。ってより、記憶がない。
どーいうこと⁇もしかして…
「君、もしかして…」
「もしかして私…」
「「記憶喪失なのか?」」
あ、へ?
フリーズANDフリーズ
戸惑いが隠せない。彼の顔も曇る。
記憶はない、家もわからない。
分かるのは、自分の名前だけ。
でも何故か私は不思議と落ち着いていた。
「…君、僕が誰かわかる?」
え、誰かって?有名人なのかな?
「わからないです。」
「僕はこの国の王、アスク ラーナ R ソフィア。わかるかな?」
……ええっ?王様?王様てあの王様?若いのに。まあ、城もあるなら王様もあるか。
(…今さっきまで、戸惑ってたなんて思えないな。阿呆なのか、自分?笑)
それにしても、助けて頂いたのに(しかも王様に)お礼の一つも言ってない。礼儀知らずにも程が有る。
「ごめんなさい、王様。私、わからないです。それより私を助けていただき本当にありがとうございます。」
「あ、ああ、畏まらなくていいよ。当然のことだよ。
…ねぇノア、怖くないの?記憶がないのに…。」
王様の顔が更に曇る。
…なんて優しい方なんだろう。
. . . .
王様であられる方が私なんかを心配してくれている。
とても嬉しい。なんていうのだろう、なんというか
. . . . . .
一人じゃないって言ってくれているみたいで。
それが本当に嬉しかった、本当に。
「王様、ありがとうございます。怖くないです。私、何故かわからないですが、大丈夫みたいで。
それより、助けて頂いたことが本当に嬉くて…。」
「はははッ!」
笑ってくれた?
「ノア、君面白いね。
僕なら落ち込んで立ち直れないよ。」
「…そう、ですか?」
そう言われるとなんだか
恥ずかしくてほおが火照った。
「ねぇ、ノア。言葉遣いや髪色からいって、君も王族の方だろうし、僕の事はアスクって呼んで。年も近いだろうし、敬語もやめないか?」
「でも…」
「お願いだ。その代わりと言うか…僕も君の事、ノアと呼ばしてくれないか?」
「わかりました、アスク。」
「・・・ムゥ。」
「わかった、アスク。」
「これから一緒に君の記憶を取り戻していこう、ノア。」
これが私とアスクの出会い。
この出会いが私達の運命を変えた。これは私達の物語。
この先どうなるかなんて…
誰にもわからない。