*短編B L*キミに夢中
《 こういうときこそ軽~い俺の出番じゃね?》
昨日、似たようなことを佐田君が言ってた。
その言葉は、ぼんやりと思い出せる。
「佐田君は、軽くないよ。」
「お前さぁ、それ昨日も言ってたけど違うからな?
俺はお前を本気で慰めたいと思って言ってんだ。
みくびんなよ~!
それに、俺たいして努力なんてしてないし、テキトーな人間だからそれは過大評価ってヤツな!」
嬉しい。
でも、僕は知ってる。
優しくて頑張り屋の佐田君を、知ってるよ。
「…僕は、知ってるよ。
頑張ってる佐田君のこと、ちゃんと見てたから、知ってる。
…昔も、僕の知らないところで守ってくれてたよね。
だからもう、守ってくれなくてもいいんだよ。」
「…な、なんのことかな~??」
…佐田君、耳が真っ赤だ。
ふふっ、可愛い。
昔、佐田君は僕をいじめる人たちにやめろってずっと説得してくれてたよね。
僕、ちゃんと覚えてるよ。
「佐田君は知らないだろうけど、あのとき僕廊下にいたんだ。」