*短編B L*キミに夢中
その瞬間、溢れ出ていたモノがなにか、僕にはわからなくなってしまった。
わからないのに、ソレは止まってくれなくて。
僕の中は空っぽになったはずなのに、なにかがずっと溜まってて。
吐き出したいのに、吐き出せない。
気持ち悪い。
(ああ、もうどうでもいいや。)
そう思うようにして、めげずに大学に通っている。
講義を端っこの席で受け、なるべく目立たないように。
『…講義を終わります。』
はー…やっっと終わった。
僕は外に出て、ほとんど人がこない学校裏のベンチに座った。
いつも僕がご飯を食べるところ。
今日の昼ご飯は購買で買ったパン。
「きもちいー…」
木のしたにあるベンチだから、木陰になって、涼しい。
タツ君。
タツ君、タツ君、タツ君。
僕はキミが、すごくスキでした。
…なーんて、気持ち悪いよね。