*短編B L*キミに夢中
《1人で泣くより、誰かのそばで泣いた方がスッキリするからな!》
僕の、言葉だったの…?
「荒ぶっていろんなモン壊したりしてたけど、ホントは寂しいだけだった。
その穴埋めたくて、周りのゼンブぶっ壊してやりたいと思った。
でも、俺の本音には誰も気付いてくれなかった。
だから冬夜のその言葉に、俺は救われた。
恩返しすんのは、むしろ俺の方なんだよ、冬夜。」
「そんな…!
僕はなにも…してないよ。
それ以上に佐田君には感謝してるんだ。
だから…「冬夜。」
佐田君は僕から体を離し、僕の目を見ながら言った。
「俺に甘えていいんだよ。
俺が冬夜と一緒にいるから。
絶対、離れないから_____
興味本位なんかじゃない。
本気で冬夜を慰めたいんだ。
冬夜が落ち込んでんの…嫌だからさ。」
「…っ」
僕は、その言葉にまた泣いてしまった。
ポンポン、と優しく僕の頭を撫でる大きな手が、あまりにも暖かくて。
その言葉が、あまりにも優しくて。
その顔が、あまりにも切なくて。
あぁ、これが恋なんだ、と。
初めて分かった気がした。