*短編B L*キミに夢中
…なんか、冬夜の顔見てたら可愛くて見えてきたわ。
俺の目どうかしてんのかな?
もしかして…俺バイだったりする?
「あー…そんなに悲しいなら俺がタツ君の変わりになってやろっか?」
「…え?」
「タツ君の変わりに、冬夜に優しくしたり、キスしたり、エッチしたり…」
「えっえっ?
そ…んなの、駄目だよ!だって佐田君はノーマルで、」
「んー分かんない。
でも俺なんか冬夜の顔見てたらバイのような気がしてきてさ。」
「バイ…?」
「女と男両方イケるってこと。」
「でも…」
「ダーイジョーブ!
心の傷が癒えるまで、な?」
「佐田君は、いいの…?」
「全然!!
つかむしろ、こういうときこそ軽~い俺の出番じゃね?」
俺は、笑ってみせた。
笑ったのに。
「…佐田君は、軽くないよ。
中学の時だって、女たらしだったけど、フられた時は傷ついた顔してたし、今だって…苦しそうに、笑ってるじゃない。」
「俺は別に…!」
「自分で自分のこと…軽いなんて、言わないで。
僕の性癖を知っても受け入れてくれたのは、佐田君が初めてなんだ。
タツ君は2人目。…に、入るのかなぁ。
まぁいいや、とにかく僕は、佐田君のあの一言に救われたんだよ。
“ホモと友達になっちゃいけねぇのか?”って。
そう言って笑ってくれたときは、とってもかっこよかったなぁ…。」
「…んだよ~、今はかっこよくないっていいたいのかよっ」
「そうやって茶化さなくても…佐田君は、充分魅力的だよ。」