*短編B L*キミに夢中

…なんか、冬夜の顔見てたら可愛くて見えてきたわ。

俺の目どうかしてんのかな?


もしかして…俺バイだったりする?


「あー…そんなに悲しいなら俺がタツ君の変わりになってやろっか?」

「…え?」

「タツ君の変わりに、冬夜に優しくしたり、キスしたり、エッチしたり…」

「えっえっ?
そ…んなの、駄目だよ!だって佐田君はノーマルで、」

「んー分かんない。
でも俺なんか冬夜の顔見てたらバイのような気がしてきてさ。」

「バイ…?」

「女と男両方イケるってこと。」

「でも…」

「ダーイジョーブ!
心の傷が癒えるまで、な?」

「佐田君は、いいの…?」

「全然!!
つかむしろ、こういうときこそ軽~い俺の出番じゃね?」

俺は、笑ってみせた。
笑ったのに。

「…佐田君は、軽くないよ。
中学の時だって、女たらしだったけど、フられた時は傷ついた顔してたし、今だって…苦しそうに、笑ってるじゃない。」

「俺は別に…!」

「自分で自分のこと…軽いなんて、言わないで。

僕の性癖を知っても受け入れてくれたのは、佐田君が初めてなんだ。

タツ君は2人目。…に、入るのかなぁ。

まぁいいや、とにかく僕は、佐田君のあの一言に救われたんだよ。

“ホモと友達になっちゃいけねぇのか?”って。

そう言って笑ってくれたときは、とってもかっこよかったなぁ…。」

「…んだよ~、今はかっこよくないっていいたいのかよっ」


「そうやって茶化さなくても…佐田君は、充分魅力的だよ。」

< 8 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop