青い春の中を、きみと一緒に。
 
突然だけど、俺--高橋圭太には、休み時間に教室で野球部の連中とじゃれ合っていると、ふとした瞬間に視界に映り込む人がいる。

俺から見たら、仲良さげな女子3人組。

3人とも背が小さめで、制服のスカートもひざ丈、取り立てて目立つタイプでもないし、何かよっぽどのことでもなければ接点なんて生まれそうにない、そんなただのクラスメイトだ。

それで、その中の一人だけ、いつも少しだけ笑顔がぎこちないというか、時たま彼女が纏う空気が心なしか硬くなるのがなんとなく気になる。


あれ、今ちょっと2人と一線引いた?なんて気づいたら、友達なのにどうして?と気になり、それからずっと俺の中で引っかかっている。

けど結局、野球や部の仲間といるほうが楽しい俺は、引っかかりつつもその理由を深く考えることもないまま、高校1年の6月を迎えていた。


そんなある日。

授業が終わり、教室の掃除をしていると、モップに顎をかけて少し休んでいる俺の目の前にヒラリと一枚の紙きれがかざされた。


「暇そうだしちょうど良かった、さっきのLHRで決めた体育祭の種目別メンバーな、あれ、表にするの面倒だから、代わりに頼むわー」

「はい!?」
 
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