四神転送

東京のとある高校のとある教室。その教室のドアには、[２−Ａ]と言う表札がぶら下がっている。

中に入るとそこは丁度お昼時。
色とりどりなお弁当を広げ、各々の休息を楽しむ。どこにでもある風景。

フと、窓際へと目をやると、他の生徒達よりも少し変わった二人がいた。

「むぐっ、むぐっ、むぐっ」

規則正しく唐揚げを噛み締める男と、

「んー、……食えねぇって…そんなゴム……」

規則正しく"そんなゴム"な寝言を呟く男。

行動自体はその辺にいる高校生と変わりはない。
ただ一つ、オレンジと銀の髪である事以外では…

「むぐっ、むっ……ぐ…ッ」

先程までのテンポを止めて顔を真っ青にしているのがオレンジ。
短髪を程好く立たせ、量耳に髪と同じオレンジのピアスをしている。

対して寝言を言い飽きて静かに眠り出した方は、ウルフに伸ばした髪を後ろに結る銀色。

本来なら直ちに毛染め直し、抗えば停学処分となるのだが、二人とも地毛だという事実に、教師も口出しが出来ない。

「むっ…むむむむむ……」
「ぐぅ〜……」
「むぅっ！むっ……」
「…すぅ……」
「ッ……っ…、」
「……………………」

「むっ……ちゃうまぁ〜〜い！！！」
「紛らわしいぃぃぃいいい！！！」

オレンジの紛らわしい感動に、安らかに寝ていた銀色が飛び起きた。
どうやら銀色は天性的なツッコミ気質らしい。

「お前なぁ、普通顔を真っ青にして息を詰まらせたらデッド・オア・アライブだと思うだろ！？」
「あれっ？お前、寝てたんちゃうの？」
「いや、寝てたけど…っつかホンワカと受け流すなぁあ！！」

これが、異色コンビの日常だ。


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