結婚したいシンドローム=特効薬は…あなた?【完】
雅人さん、私を心配してくれて異動を決めたんだ……
「それと、操は今日から暫く休職する事になった」
「えっ?山根主任が休職?もしかして、それも私の為に?」
「さぁな?でも、ホタルが責任を感じる必要はない。操は今、幸せなんだから」
一輝はそう言うけど、なんか微妙だな……
でも確かに、私と雅人さんが付き合っていたのは皆知ってるし、あのふたりと一緒に仕事するのはキツいかもしれない。それに雅人さん達だって、私が近くに居たら気まずいよね。
窓の外を眺めながらこれで良かったんだ……って、自分を納得させる。
「でもな、次長の立場から言わせてもらえば、雅人はともかく、営業力のある操が居なくなったのは痛手だな。早く後任を決めてもらわないと、法人部の売り上げに響く」
「次長も大変だね」
「今気付いたのか?ったく、管理職なんてなるモンじゃない。たとえ同期でも売り上げが悪けりゃキツい事も言わなきゃならない。ホタル、お前だって例外じゃないぞ。
今回のプラン書の件は、あんな事があったから仕方なく手伝ってやったが、次はないからな」
仕事モードの一輝は昨夜の優しい一輝とは、まるで別人の様。
「じゃあ、私も成績が悪かったらクビになるんだね」
神妙な顔でそう言うと、なぜか一輝がニヤリと笑う。
「お前がアクセスをクビになっても心配いらないけどな」
「どうして?」
「ホタルが無職になったら、俺が一生、お前を食わせてやるよ」
「えっ?」
それって、まさか……