結婚したいシンドローム=特効薬は…あなた?【完】
『でも、それって納得出来ませんよね。プロポーズまでした蛍子先輩を振って新田係長に走るなんて、斎藤次長、男として最低です!蛍子先輩、まだ諦めちゃダメですよ!
それに、彼の態度も納得出来ません。何を調べてるか知らないけど、蛍子先輩を辞めさせるとか、そんな酷い事言うなんて……こうなったら、彼が何を調べてるか、私がつきとめます!』
熱くなって怒鳴る楓ちゃんに焦った私は、慌ててその提案を断る。
「ダメだよ。そんな事したら、楓ちゃんと彼の関係が悪くなるかも……楓ちゃんは関わらない方がいいって」
そう、話しを聞いてくれただけで十分。少し気持ちが楽になったもの。
けど、楓ちゃんはそんな私の心配をよそにケラケラ笑う。
『ヤダ~全然大丈夫ですよ~私と彼はそんな事で別れたりしませんから!』
「えっ?そうなの?」
楓ちゃんのその自信はどこからくるんだろうと思った。そして、そこまでキッパリ言い切れる彼女が羨ましいとも思った。
『はい、それに、私だって彼が何してるか知りたいし』
「でも……」
そう言われても、やっぱり心配で気が引ける。
『もぉ~このまま新田係長のいいようにされてもいいんですか?会社で起こってる問題は、社員の私達にも関係あるんですからね。知る権利はあります』
楓ちゃんは勝手な理由を付け調べる気満々だ。楓ちゃんに話した事は間違いだったんじゃないかと後悔するも、後の祭り。
「いい?くれぐれも奥田主任の機嫌を損ねない様にね」
『はい。了解でっす!』