結婚したいシンドローム=特効薬は…あなた?【完】
「ホントに、そんな業務規定あるんですか?聞いた事ないですよ」
確かに私も一輝に教えてもらうまで知らなかったんだけど……
業務規定なんて真面目に読んでる人居ないよね……なんて考えていたら、テーブルの上に置いてあったスマホからラインの着信音がした。
「あ、雅人さんだ」
「えっ?蛍子先輩、遠藤係長とまだ付き合いあるんですか?」
あんな別れ方をしたのに、私がまだ雅人さんとラインする仲だと知った楓ちゃんは何気にドン引き。
「蛍子先輩って、大人ですね~。私だったら絶対に縁切りますよ」
感心してる楓ちゃんに「まぁね」と答えてラインを確認する。
《蛍子、久しぶり。実は、仕事が終わったら操と待ち合わせして夕食を食べる事になってるんだけど、操が蛍子に会いたいって言ってるんだ。もし良かったら、今夜一緒に食事出来ないかな?》
えっ……山根主任が私に会いたい?
さすがに、これには私も驚いた。でも、山根主任がわざわざ会いたいと言ってきた理由も気になるし……
《分かった。行きます。待ち合わせ場所、またラインして》
そう送信してスマホを置くと、楓ちゃんが微妙な表情で私を睨んでる。どうやら楓ちゃんは、私があのふたりに会う事が気に入らないみたい。
「蛍子先輩がいいなら別にいいですけどね。私には理解不能です」なんてプリプリ怒っていたくせに、数分後には態度がコロッと変わり「それじゃあ、ついでに遠藤係長にあの事聞いてきて下さいよ」って笑顔になってる。
「あの事って、何?」