いつまでも、そばに
はじまり
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「みーつー!もう行ーくーよー!」
「えええ!あと10秒待ってーー!」
「じゅー、きゅー、ぜーろー!!」
「ちょ、ずるっ!!」
今日から俺達は2年生だ。
つい最近高校入ったと思ったのに、もう1年かー…。時間経つのって早い……。
「ごめん祐ちゃん、お待たせ!」
「もー、みつしっかりしてよー。今日から2年だぜ?始業式から遅刻したりなんかしたら…っどーすんだー!」
「わっ!!ごめんって!」
祐ちゃんが、俺の頭をぐしゃぐしゃにする。
「2年になっても寝坊は変わらないなーまったくー。可愛いすぎでしょーもー」
「えー、だってお布団がちょーちょー気持ちいいんだもーん♪むふふ(笑)」
俺は仲本宏光。
祐ちゃんこと松田祐希は家が隣で、小さい頃からの幼なじみだ。朝、いつも待たせてばっかの俺を小学校の頃からずっと迎えに来てくれている。
「よし、もう行くぞよ!クラスとかも見なきゃならぬ!」
祐ちゃんは面白くて、いつもボケっとしてる。でもやる時はやる……と思う。たぶん(笑)
「同じクラスがいいね、祐ちゃん」
「当ったりっ前~!…まぁでも無理なんじゃない?どーせ(笑)」
「えー、もしかしたらって事もあるかもじゃんー」
「5クラスあるんだぜー?無理無理」
「うー…」
「あ!てゆーか、同じクラスの人に怪しい人ヤツとかいたらすぐ言うんだよ?」
「何、怪しいって(笑)そんな人いないでしょ(笑)」
「いや、ぜーーったいいるって!みつに付きまとう男とか、やたらみつに話しかけてくる男とか、やたらみつにベタベタする男とか………」
「ねーねー祐ちゃん、もう何年も前から言ってるけどさー、俺おとこだよ?(笑)」
「…………はぁ……もう、ほんっとみつは分かってない!自分の可愛さに!そんなんだから色んな人に狙われるんだよっ!」
「えー、う、うん…?」
「だから、みつは俺に守られてればいーの!……とにかく、ちょっとでも仲良くなった人とか話しかけてきた人とかいたら昼休み報告ね!」
「昼休みないよ(笑)」
「あ、帰り帰り!」
「はーい」
昔から過保護な祐ちゃんは、まるで親のように俺を心配してくれる。
俺が女子ならわかるけど、なんでだろ。そんなに心配するような事してるかなぁ。
…まぁ、理由は分からないけど時々イジメられるし…背も低くて童顔だから心配になるのかな…。
あ、まだ俺『中学生です』って言ってもバレないんだよ(笑)
んー、守ってくれるのはありがたいけど、祐ちゃん…俺に構ってばっかで彼女作れてないっぽい…(笑)
そろそろ自分の事も考えれば?って言いたいけど、それはそれで寂しいから言わなーい!
「みつ、走るよー!早くクラス見たいぜー!」
「わっ、待ってっ!」
祐ちゃんに引っ張られながら、学校を目指す。
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