新社会人の私と不機嫌な若頭


『あ、やめてください。私、頭下げられるの苦手なんです。……こちらこそ、よろしくお願いします』


そう言って笑うと早苗さんは
顔を真っ赤にしている


「ふっ……馬鹿か。杏奈が良ければ、たまに遊んでやれ」


涼介さんが言うと、早苗さんは
涼介さんの腕をガシッと掴む


「マジで?いいの?本当?」


その姿が可笑しくて笑ってしまった


『友達になるのに、涼介さんの許可が必要だなんて思わなかった』


そう言うと、目を輝かせながら
私の手を取る早苗さん


「ちょー優しい!早苗って呼んでください!何かあればすぐ駆けつけますんで!」


涼介さんはお腹を抱えて笑っている


『さ、早苗。よろしくね。あ、敬語とかやめてくれたら、嬉しいな……』
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