新社会人の私と不機嫌な若頭


違法なことはしていない


それだけで一安心だ。
そして、また涼介さんは付け足す


「長谷川は興味ねぇんだ……女に。なんつーんだ、アニメって言うか、アキバ系?あっち専門みたいで、生身は興味がねぇんだと」


あー……そうなんだ
テレビとかでは知ってたけど
まさか出会うとは思わなかった


「生身の方が絶対いいんだけどな…」


そう言って私のお尻を回すように触る


『きゃっ!……涼介さんっ!!』


全く……親父かよっ!



そして、もう一人……
私に紹介してくれたのは
かっちりしたメガネと
ワイシャツ姿がとても似合う男性


「澤田」


そう呼ぶと、澤田さんは立ち上がり
私に深々と頭を下げた


「澤田です、よろしくね。杏奈ちゃん」


……は?
……オネエ口調。
開いた口が塞がらないでいると
涼介さんがまたお腹を抱えて笑っている


『よ、よろしくお願いします』


なーんか…涼介さんの事務所って
キャラクター濃い人ばかりかも……
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