新社会人の私と不機嫌な若頭


そんな楽しい時間も
夜になれば終わる


「じゃ、おやすみなさい」


『おやすみなさい』



私は部屋を出て、
自分のマンションへと戻る


涼介さんから連絡きてないけど
まだ時間がかかるのかな?


そう思って我が家へ入ると
……え?涼介さんの靴だ


リビングへ行くと
一人、涼介さんがグラスを口につけている


……何かがあったに違いない



『おかえりなさい。お疲れ様』


そう言って涼介さんの背後から抱きつく


「もう終わったのか?」


『連絡くれたら良かったのに……』


「ん?……ああ」



何も言わないのね
いつもなら聞かないけど……


『どうしたの?』


「ん?……ああ……」


別に無理には聞かないよ
言いたくなったら言ってね



どのくらい沈黙が続いたのかわからない
私はただ、涼介さんの温もりを感じていた
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