新社会人の私と不機嫌な若頭
けど、それも数ヶ月
『……してた』
朝のコーヒーを飲んでいた
朝からやけに杏奈が慌ただしい
しかもトイレからなかなか出てこない
腹でも壊したか?なんて思っていた
やっとトイレから出てきた杏奈が
なんだか元気が無かった
「杏奈、どうした?」
『…………してた』
「ん?なにしてた?」
『……妊娠』
そう言って、何かを差し出した
それは棒みたいな物
『妊娠検査薬……』
その棒には、窓みたいなのがついてて
その中に二本の線がひいてあった
正直、妊娠検査薬なんて
俺には無縁に近い
だから、こんなんで妊娠がわかるなんて思えなかった
けど、杏奈が言うことは信じる
俺は杏奈を抱きしめて喜んだ