新社会人の私と不機嫌な若頭
「ほぅ……俺に秘密か?」
涼介さんはお酒が入っているせいか
とても妖気に笑う
後ずさりするもすぐ涼介さんに捕まってしまう
「いい度胸だ、褒めてやる」
そう言って私にキスをしてくる
それは優しいキスじゃなく
激しくて……今までに無いキス
『んっ……っ…。はぅ……ん…』
『……んっ……り…ょすけ…さ』
涼介さんの胸を叩く
やっと離れた唇
「言いたくなったか?」
涼介さんは楽しそうだ
なんか……馬鹿にされている気分
悩んで悩んで……
誰のせいだと思ってるの?
なんか、ムカつく。
『絶対言いません……』
『もう涼介さんなんか知りません』
私は涼介さんの身体からどうにか抜け出し、さっさと寝室へ向かった
涼介さんが呼んでいたけど
振り返る事もせず
勢いに任せて寝室のドアを閉めた
バタンっ……
やり過ぎたかな…
けど、いいや……
私はそのまま涼介さんを待たずに
眠りについた。