新社会人の私と不機嫌な若頭


『……自分の思いが伝わらなくてイライラしちゃった。ごめん』


涼介さんは私の手を取る



「……正直、怖いんだ」


……え?怖い?


「……杏奈をまた抱きたいって気持ちはある。けど……加減ができなくなるような気がする、杏奈に嫌われるんじゃないかって思った」



涼介さんの本音……
それを聞けてホッとする自分がいた

嫌われたわけじゃない
飽きられたわけじゃない


『……いいんじゃないかな?加減できなくても……。貴方の気持ちや思いを彼女にそのままぶつけても。貴方の愛した人なら、全て受け止めてくれるんじゃない?』


そう言うと涼介さんは安心したらしく
そうするっと言ってグラスに口をつけた
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