新社会人の私と不機嫌な若頭



その後も涼介さんの腕から
解放される事はなく
解放されたかと思えば、また……


『涼介さん、ご飯……お腹すいた』


着替えが終わっても
涼介さんは私から離れようとせず
私の膝に頭を乗せて本を読んでいる


かれこれ1時間…。


「ん?…ああ…食いに行くか」


やっと離れたかと思えば
私の腰に手を回す


昨日までと全く違って、なんか笑うちゃう


「こんな俺は嫌か?」


『ふふふっ、全然大好き』


……えっ?今、私なんて言った?
自分でも恥ずかしい事を言ってしまったと後悔した
涼介さんを見れば……固まっていた


『あ、あ、ごめんっ、ちがう…いや、違くないけど…は、何言ってっ』


焦って言葉にならない私に
涼介さんはキスをする


「反則…また抱きたくなる」


顔から火が出そうなくらい熱いのがわかる


『いっ…。お腹、すい……たよ』


それ以外、言葉が出ず
涼介さんはまた私にキスをして


「ああ、飯食わないと体力持たないな」


なんて笑っていた。
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