新社会人の私と不機嫌な若頭
翔子さんの部屋で
雄哉の学校での出来事のことを
たくさん聞いた
雄哉は楽しいみたいで安心した
っとそのとき
勢いよくドアが開いた
えっ?と思った時には前が真っ暗
「杏奈ちゃん、待っていたよ」
そう言って抱きしめる……お父さん
『お、お久しぶりです』
隣で翔子さんが笑っている
涼介さん並みにお父さんは溺愛してるんだ
「クソジジイ!てめぇ何やってんだよっ」
そんな声がしてドカドカと足音がして
お父さんは私から離された
その代わりに、涼介さんが私を抱きしめる
「帰るぞ」
そう言って私を抱きかかえる
え?もう?今来たばかりだよ?
「若、落ち着いてください。まだ大事な話がありますので…」
三宅さんが宥めているけど
涼介さんは相当怒っている
「二度と杏奈を連れてこねぇ、用があるなら俺に言えっ」
あーだめだ、マジで切れてる
『涼介さん、私は岸谷の家、好きですよ?』
そう言っても聞き入れてくれない
これは、奥の手を使わないとだめかな?