新社会人の私と不機嫌な若頭
「何があった?どうしたんだ?」
涼介さんの胸に顔を埋めたまま
私はいつの間にか眠ってしまっていた
「……は?寝てるし……ったく」
「……嫌な夢でもみたか?」
「…………聞くか。」
涼介さんはそのまま私を抱きしめたまま
今日も眠りにつく
次の日、
私は自分が涼介さんに弱音を吐いていたことを忘れていた
夢だと思っていたから……
『おはよ、涼介さん』
『今日は午後から取引先と会食、それと会議が続きます。夕食は……工藤組との会食がありますのでお忘れなく』
「……ちっ、工藤組か。」
工藤組との会食は
いわゆる飲み会だ
真也さんもくるだろうから
たくさん飲む事になるんだろう
「……杏奈?」
『なーに?』
私は洗い物をしながら返事をした
「なんかあったらすぐ言えよ」
え?……夢の続きなのかとおもった
けど、心配かけたくないの。
『うん、わかってます』
『今日、会食なら白鳥さんとこに行こうかな。沙耶誘ってみよう』
私は笑いながら話した
笑わないと、余計なこと言っちゃいそうだったから。