新社会人の私と不機嫌な若頭
元カノ
もしかしたら、悪い人じゃないのかも……
私は置かれている立場は
危険なんだろうけど、冷静だ。
涼介さんが助けに来てくれる
そう信じているからだと思う
『……あなたの名前は?』
「……」
『どうして私を拉致したの?』
「……」
『涼介さんの側にいたらダメだった?』
「……」
何を言っても返事はない。
その男は何も言わず、部屋から出て行った
っていうか、ここどこ?
古びたっていうか、カビ臭いし
ボロボロだし……
窓のガラスも割れてるし
廃墟かな?
寒くはないから、大丈夫。
大丈夫……
大丈夫……
得体の知れないモノより
この方がよっぽど怖くない。
大丈夫……
涼介さんが助けに来てくれる。