新社会人の私と不機嫌な若頭
気が付いた時にはあの女も彼もいなかった
痛っ……
蹴られた所が痛い
多分、痣になったんじゃないかな。
これ…涼介さん見たらキレるな。
それにしても、今は何時だろう?
白鳥さんも沙耶も心配してるかな?
そんなこと考えていたら
また部屋のドアが開いた
多分……彼だ
「起きてるか?飯だ」
そう言って寝かされている私の身体を起こして、手首の縄をほどいてくれる
『ありがとう、いただきます』
彼が渡してくれたおにぎりとお茶を口にする
食べている横で、彼は私を見ている
監視してるんだろう。
食べ終わる頃に、ドアが開いた
みると、あの女だ
「ったく、なんなの!!」
今日の女は機嫌悪い
「どうしたんだよ」
「みんなして、杏奈、杏奈ってイライラする、なんなのよっ!」
女はイライラして私の前に立つ
あー…またやられるパターン?
そう思っていたら
やっぱり平手打ちがきた
けど今日は一発じゃない
怒り狂っている女を止める彼……
あー…彼は彼女のこと好きなのかな?
なんでこんな女といるんだろう…
彼ならもっといい人いるんじゃないかな?
結構、叩かれた……
頬がヒリヒリする……
「冷やせ」
そう言って彼はどこから持ってきたのかアイスシートをくれた
『…ありがと……いてっ…』
口を開けると痛い
多分、切れたんだろう。