新社会人の私と不機嫌な若頭


しばらくすると
私の処置をしてくれた


多分、サインしたら
私は用済みになるんだろう

だからと言って帰る場所もない


『……あなたは、どうなるの?』



私がサインしたら
彼はどうなるのか気になった


「さあ?……あんたは?」


私が首を横に降る
だって、わかんない。
涼介さんが私を捨てたなんて
絶対思いたくない……


「サインしたら、自由だろ?」
「あんたさえ良ければ、俺が面倒みる」


彼が必要以上話をしたことはない
やっぱり、優しい人なんだ


けど、私には…
私には涼介さんしかいないの。


裏切られたなんて思いたくない
信じたくない……



悔しくて、情けなくて涙が出る
声を出さないように泣いた


そして、そのまま眠りについた
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