新社会人の私と不機嫌な若頭
『で、でもね……やっぱ…り、りょうすけさ…んのクチから……言われ…なきゃ……納得……できなかっ……た』
『あの……人に、サイン…しなきゃ、死んじゃ……うって、サインしな…いと、殺さ……れちゃ…うって、説得……された…けど……しなか…った』
『……よかっ……た。サイン……しなく…て。りょう…すけ、さん……やっ…ぱり助…けに、来て……くれた』
そう言い終わると
涼介さんは私の手を自分の頬に当てた
「杏奈を助けるためだとはいえ……サインしたのは事実……悪かった」
涼介さんの悔しそうな顔
私は首を横に降る
『……元はと…言えば……私…が、ちゃ…んと、言わ…なかった……のが悪…い』
そう言うと、涼介さんは
少し笑って「ああ、そうだ」
そう言うから、私もつられて笑ってしまった