新社会人の私と不機嫌な若頭
「あんたって子はっ!どうしていつもそうなのっ!どれだけ心配かければ済むのよ!私を殺す気なの!」
怒ってるのか泣いているのか
もうぐちゃぐちゃな白鳥さん
『ごめんなさい……』
身体の痛みも和らぎ、一人で動けるようになった私
白鳥さんを泣かせるなんて
しかも2回も……申し訳ない。
涼介さんは病室の入り口付近の壁に寄りかかって、笑っている
白鳥さんはポーカーフェイス
けど私の事になると、全く違う
そんな白鳥さんに涼介さんは初め
とても驚いたらしく
今では、優しい目で見てくれる
『白鳥さん……お願いがあるんです』
「な、なによっ!」
泣きながら怒っているのが
私には可愛らしく思う
『ギュってしてください』
それを言うと、白鳥さんは
さらに怒って泣いている
「だ、誰がそんなことするのよっ!誰のせいでこんなに……」
私が両手を広げてスタンバイしていると
「全く……あんたには勝てないわ」
そう言って、私を抱きしめてくれた
『白鳥さん……私、白鳥さんの事、大大大好きです。』
「……なによっ!……私だって杏奈のこと、す、好きに決まってるでしょっ!」