風に運ばれて~マシュの想い出~[短編]
そして四日後の朝でしたか・・・

あなたの意識が、はっきりと回復した朝、病院に現れた私を見つめて今までで一番の、可愛い鳴き声で

「にゃーん、にゃーん、にゃーん、・・・・・」

と鳴き続けながら、這うようにして、近づいて来ようとしました。

点滴の針が刺さったままの身体は、両後ろ足が動かせず、まだ激痛が残っていたと思います。

私は、愛しくて、愛しくて、すっかり軽くなった、あなたを抱きしめました。

どうにか最初の命の山場を乗り越えて退院して我が家に帰ってきましたが、立つこともできず、自分で尿をだすこともできず・・・



苦しみが続きました。
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