風に運ばれて~マシュの想い出~[短編]
私の、あなたに対する想いは変わる筈がないのです。

外は暑い風の吹く夏

あなたは、残った右後ろ足と手術後に残されている左後ろ足の骨とで歩き始めます。

しかし残る右後ろ足の先も壊疽が黒く固まり、爪も剥がれていました。

「コツカツ、コツカツ、コツカツ、・・・」

それにもめげずに、骨と、壊疽の固まりの音を残しながら、あなたは歩きます。

無残な姿になりながらも、見送りと、お迎えを玄関までしようとしてくれ、私がキッチンで食事を作っていると、入ってこようとします。



いつもの愛嬌のある「えへ」という顔をして・・・



ただし、あなたの大好きだった散歩やバトルは、もうできる身体ではありません。

一緒に寝転んでいたベッドにも、血のりがつくので行けません。
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