風に運ばれて~マシュの想い出~[短編]
右後ろ足先の壊疽で黒く石のように硬くなった部分が歩くたびに

「カツ、カツ、カツ、・・・・・」

と床に響いていきます。

歩けるようになると、二階の寝室まで、途中で休息をとりながらも、あなたは「おはよう」の挨拶をしに来てくれました。

しかし心臓への負担が大きくて、その後は私が抱いて寝室まであがるようにしました。

でも「おはよう」の挨拶をしに来てくれた時は、ほんとうに嬉しかったです。

そして三本足では早く歩けなくなりましたが、散歩も再開し、順調に回復していきました。

夜も一緒に寝室で過ごし、心臓に負担が、かからないようにと五分くらいの小さなバトルごっこもして遊びましたよね。

私が寝室に上がる時間を覚えていて、そのころが来ると、以前の元気な時のように必ずドアの前で待っていてくれました。
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