風に運ばれて~マシュの想い出~[短編]
いつの日になるかは分かりませんが、できれば早く会いたいと願っています。

生まれ変わりがあるのならば、マシュの生まれ変わりを待ちたいのですが・・・



出かけるときや帰って来たときに、玄関を、じっと見てしまいます。

見送りと迎えに玄関まで来てくれていたマシュが「えへ」とした顔で、ちょこんと座っている気がして・・・

毎日マシュの祭壇に向かって朝は

「おはよう」と声を掛けながら水をかえて・・・

夕方にはお参りをして、寝る前には

「おやすみ」と言ってから寝室へ行きます。

出かける時には「行ってきます」

帰って来たときには「ただいま」と声を掛けます。

生きていた時のマシュが私にしてくれた事を、今は私がマシュにしているのです。

仕事をしている時も、車を運転している時も、寝ている時も、無意識にマシュの名前を呼んでいます。

私とマシュは一心同体でした。
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