僕が歌えば、君が来る。
次の日、オーディション当日。
授業を受けて、言われた時間に部室に行ったら、バンドを組んでいる部員は来ていた。そのほかの部員は、まずいなかった。
そんなもんなんだな。
「来たか。遠藤は最後な、飛び入りだから。」
「……はい。」
「いけるか?」
「……余裕です。」
実際余裕だった。
何回も路上ライブを経験している。
だから、人前で歌うのは大丈夫。
最初のバンドは1年のグループと二年のグループ。
確かにうまいと思うが、何か違う。
初めて聞いた、あの時の先輩のような痺れる感じはない。
これじゃない。
最後のバンドは、先輩のバンドだった。
新歓で歌った曲とは違う曲。
切なく、静かに歌い上げる。と思えば、熱く激しく歌い上げる。
すごくかっこいい。痺れた。やっぱり、これだ。
他の弾き語りも終わり、とうとう私の番。
大丈夫、私ならできる。
先輩の方を見ると目で、
「お前なら大丈夫。」
そう言っていた。
いつものように、
チューナーをつけて音を合わせる。
ピックを持ってゆっくり深呼吸。頭の中では目の前にお客さんがいっぱい。
閉じていた目を開き、ゆっくりと息を吸い、
歌う。
授業を受けて、言われた時間に部室に行ったら、バンドを組んでいる部員は来ていた。そのほかの部員は、まずいなかった。
そんなもんなんだな。
「来たか。遠藤は最後な、飛び入りだから。」
「……はい。」
「いけるか?」
「……余裕です。」
実際余裕だった。
何回も路上ライブを経験している。
だから、人前で歌うのは大丈夫。
最初のバンドは1年のグループと二年のグループ。
確かにうまいと思うが、何か違う。
初めて聞いた、あの時の先輩のような痺れる感じはない。
これじゃない。
最後のバンドは、先輩のバンドだった。
新歓で歌った曲とは違う曲。
切なく、静かに歌い上げる。と思えば、熱く激しく歌い上げる。
すごくかっこいい。痺れた。やっぱり、これだ。
他の弾き語りも終わり、とうとう私の番。
大丈夫、私ならできる。
先輩の方を見ると目で、
「お前なら大丈夫。」
そう言っていた。
いつものように、
チューナーをつけて音を合わせる。
ピックを持ってゆっくり深呼吸。頭の中では目の前にお客さんがいっぱい。
閉じていた目を開き、ゆっくりと息を吸い、
歌う。