完璧男子に興味なしっ!
隣は苦手なイケメン君
「神城君、ありがとう!」
そんな声が聞こえて来て、私は不意に顔を上げた。
授業が終わって、週番の女の子が黒板消しを片手に、そばにいる長身の男の子に笑顔でお礼を言っている。
二つある黒板消しの一つを使って、彼は黒板の上から下に向かってていねいに掃除をしていた。
女の子の背丈じゃ上まで届かなかったのだろう。
「助かっちゃった。本当にありがとね」
「そんなお礼を言われる事じゃないから、気にしないで」
キレイに消し終えると、彼はニコニコとしながら自分の席へと戻っていく。
「神城君って優しいよねー」
「ホントホント。カッコいいし、バスケできるし頭いいし。悪いとこナシ!」
女の子たちがキャーキャー言うのが聞こえて、私は小さくため息をついた。