完璧男子に興味なしっ!


「おい、待てよ!」


「待てって言われて待つバカいねーよ!」



フラフラと歩く私の後ろから、男子生徒の声がしてダダダという走る音がした。


前をよく見てなかったのか、ドンッと後ろから衝撃がきた。



「あ、悪い!」



バランスを崩してよろけた私の横をすり抜けていく、男子生徒2人。


私の手からバサバサとプリントが散らばって落ちる。



「わーっ!」



悪いと思ってるなら、拾っていきなさいよ、バカ―!


半泣き状態で、散らばったプリントを慌ててかき集める私。


幸い、登校してきた人が通る場所じゃなかったから、踏まれなくて済んだけど。


でもほとんど人通りのない場所で、プリントを拾う作業をしている私は、どんな風に見えるんだろう。


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