完璧男子に興味なしっ!
むなしくなりながらも、1人でせっせとプリントを必死に拾う。
「大丈夫?」
その時、優しそうな声と共に私の視界にプリントを拾い上げる手が飛び込んできた。
通りがかりの親切な人が現れるなんて思ってもみなかった。
「あ、ありがとうございます!」
嬉しさのあまり、お礼を言いながら顔を上げて、後悔した。
都合よく、親切な人が現れるわけがない。
私の目の前にいたのは、せっせとプリントを拾い集めている神城君だった。
な、何で……。
プリントを拾う事すら忘れて、私は神城君をボーっと見つめてしまった。
そんな私の視線に気づいたのか、顔を上げた神城君と目が合う。
「言ってくれたら、プリント運ぶの手伝ったのに。クラスメイトなんだから遠慮なんかいらないのに」