完璧男子に興味なしっ!
何でこんなに苦しいんだろう?
最初からわかっている事なのに。
「神城君、おはよう!」
「おはよう」
クラスの子の声で、彼が教室に入って来た事に気が付いた私。
自分の席に座って、うつむく。
隣でガタッという音がして、彼が座った気配を感じた。
「ねえねえ、数学の課題でわからない所があるんだけど、教えてー」
「いいよ。どこ?」
またいつものように、彼の周りに女の子たちが集まる。
そう、何も変わらない。
まるで昨日の事が夢だったかのように。
神城君の、『オレの彼女』発言も忘れよう。
もう、教科書を忘れて困るなんて事は絶対にないはずだし。
「えー、そうやって解くんだ?わかりやすーい!」
そう言った女の子のひじが、私に頭に当たる。