完璧男子に興味なしっ!
いつもニコニコしていて、誰にでも優しくて。
そんな神城君しか見た事がなかったから、かなり驚いたはず……。
その時、ガシャンッという音が聞こえて来た。
「な、何……?」
誰もいない静かな場所のはずなのに、いきなり聞こえて来た音。
音がした方を見てみるけれど、何も見えない。
もしかして、校舎の影?
そう思って立ち上がり、私はそっと壁越しに覗いてみた。
「……神城君?」
存在を知っている人は少ないかもしれない。
裏庭にある古びたバスケットゴール。
多分、元々はグラウンドにあった物なのだろう。
グラウンドに今あるのは、新しい物。
神城君は、誰もいないこの場所で、シュート練習をしていた。