完璧男子に興味なしっ!


一心不乱にボールを拾い上げては、シュートをして。


それの繰り返し。


いつも以上に真剣な眼差しで、ゴールを見つめている。



「……」



努力をしなくても、何でもできる人だと思っていた。


笑顔で何でも器用にこなすから、人間らしくないなって思っていた。


だけど、それは間違っていたんだ。


神城君はずっと、誰も見ていない時に必死に努力をしていたんだ……。


そういえば、朝練もやってるって言っていたっけ。


彼は、こんな姿を誰にも見られたくないはず。


私は音をたてないように、そっとその場から立ち去った。


……人間らしくないとか、勝手に決めつけて悪かったなぁ。


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