完璧男子に興味なしっ!
もしかして、私が気が付かなかっただけでずっとあの場所で練習をしていたのかな?
音なんて気にならないほど、本やスマホのアプリに没頭していたのかもしれない……。
「桜葉さん、ちょっといい?」
お昼休みが終わる少し前に、教室に戻った私。
人はまだまばらで、神城君の姿もまだなかった。
教室に入るなり、女の子数人に囲まれた私。
クラスの中でも中心的なグループにいる女の子ばかり。
「な、何……?」
どの子も私に敵意むき出しで見つめて……いや、にらんでいる。
どこを見ていいかわからず、私はうつむいた。
「神城君にどう取り入ったのか知らないけれど、調子にのらないでよね」
「自分が神城君に釣り合うとでも思ってんの?」
「神城君は誰にでも優しいんだから」