完璧男子に興味なしっ!
クスクスと笑いながら、彼女たちは言いたい事を言う。
だから、わかってるってば……。
私だって、神城君に何の期待もしていない。
ただのヒマつぶし、からかっているだけなんだって、わかってる……。
「桜葉さんなんて、努力したって神城君の隣に並ぶ事なんてできないんだから」
「そうそう。何の努力もせずに何でもできちゃう神城君に何て釣り合うワケないでしょ」
……違う。
神城君は、何の努力もしていないわけじゃない。
みんなが知らない所で人一倍頑張ってるんだよ……っ!
ギリッと奥歯をかみしめると、私は持っていたカバンを振り回した。
バコッと周りにいた女の子たちに直撃する。
「いった!な、何すんのよ!」
思いがけない攻撃に女の子たちは声を荒げた。