完璧男子に興味なしっ!
努力の王子様


神城君と顔を合わせたくなくて、5時間目も6時間目もサボってしまった。


授業をサボるなんて初めての事。


帰りのHRには出ないと。


重い足取りで教室に戻り、コソコソと自分の席に座る。


コソコソしなくても、隣だから丸わかりなんだけど。


顔を上げず、ひたすら下を向いたまま、帰りのHRを過ごした。


さっき、神城君に投げつけたカバンはご丁寧に机の脇にかかっていた。


ご丁寧に戻してくれたんだ……。



「海花」



帰りのHRが終わると、神城君に名前を呼ばれた。


だけど私は、カバンを抱えて慌てて図書室へと逃げた。


からかってゴメンとか、ヒマつぶしだったとか……。


今は何も聞きたくなかったんだ。


< 40 / 55 >

この作品をシェア

pagetop