完璧男子に興味なしっ!
「無理しなくていいぞ。今日は誰も来なさそうだし、もう図書室閉めるか」
「……はあ」
先生の言葉に図書室内を見回しても、他に誰の姿もない。
時間は4時を過ぎたところ。
今さら利用者なんて来なさそうだしね。
「じゃあ、帰ります」
「おう、気をつけてな。ゆっくり休むんだぞ?」
「あ、ありがとうございます……」
具合が悪いわけじゃないから、少し罪悪感。
先生に頭を下げると、私はカバンを肩にかけて図書室を出た。
生徒玄関で靴をはきかえて外に出ると、体育館の方から掛け声が聞こえてくる。
その中に、神城君の姿もあるのだろう。
私は体育館を見ないように、早足で校門へ向かった。