甘々王子にユウワクされて。
不意に後ろから左腕を掴まれ、名前を呼ばれる。
びっくりして振り向くと、メガネの奥の鋭い目。
「……集まり行くけど」
いらだちなのかわからないが、怖くなるほど冷たい表情で声をかけられる。
「え、あ……すみません。じゃあ木林くん、これお返しします」
正直助かった。
まさか高槻くんから話しかけてくれるなんて思わなかったけれど。
丁寧に個票を本人に返して、わたしも返してもらう。
「そっか二人とも実行委員か。頑張って!」
木林くんにそう手を振られ、わたしたちは教室を出た。
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