甘々王子にユウワクされて。



「お集まりいただきありがとうございます、実行委員長の3年1組木林楓です!
 お仕事多くて大変ですけど、なるべくみんなに負担が行かないように工夫するのでご協力お願いします!」




全員が集まったのは、それからほんの数分後。


50人以上を相手に、堂々とした振る舞いで挨拶をする楓さん。


そんな風にできる彼女を羨みながら、みんなにならって拍手をする。



「1年生の為にも、文化祭の説明を軽くします。

 本校の文化祭は2日間行われ、1日目夜と2日目夜にそれぞれ中夜祭と後夜祭があります。
 各クラスの出店と文化部の発表、中夜祭で有志発表と後夜祭で花火打ち上げ、というのが伝統になっているので今年もそれに則ります」



1年生のほうから、わぁ楽しそう、と声が上がる。



「だけど今年は、せっかくだからちょっと趣向を変えるというか。
 もっと、せっかく生徒がこうして実行委員をやってるんだから、生徒にしか思いつかないようなことをしようと思ってます!
 はいというわけで、2年9組佐久間結羽さん起立!」


「えっ!!?」



楓さんの堅苦しくない話し方好きだな、と思っていたら、突然指名された。


反射的に立ち上がる。


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