甘々王子にユウワクされて。


会議室にいた全員が振り返った。


半分笑いの含んだざわめきが気になって仕方ない。



「問題です! 本校の後夜祭にあるジンクス。
 それはなんでしょーか!」



答えて、というように、手のひらを広げてばっと腕をこちらに差し出してくる。


そしてまたしても1年生のほうが、ジンクスって何だろう、とどよめきだす。




「……最後の花火が上がる瞬間に一緒にいた2人組は、それが友人関係だろうと恋愛関係だろうと永遠に一緒になる」




わたしはそのどよめきに負けないように少し声を張って、去年文芸部の友達から聞いたジンクスを言った。


本当おとめチックなジンクスだ、誰が言い出したんだろう。



「はい正解座っていいよありがとう!
 2年3年はみんな知ってるよね。1年生も知ってる子はいたかな? この学校こんなジンクスがあるんだよ。すてきだよね」



楓さんの指示が出て、なるべく椅子の音が出ないように座る。


変に精神的に疲れてしまった。


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