甘々王子にユウワクされて。



「え、なになにどうしたの? ……何かトラブル?」



まるでわたしを落ち着かせるかのように頭に手をのせ、ぽんぽんとやってくれる。


少し前のHRで木林くんがわたしにしてくれたみたいに。


やっぱり姉弟だ、似るのかな。




「……リボンが一組足りてない。俺と佐久間の分」


「え……!?」



冷静に説明する高槻くん。


わたしは黙ったまま、目の前にある楓さんのリボンを見ていた。



オレンジと黄色のストライプ柄、黒いボタン。


楓さんは、オレンジと黄色のストライプ柄、白いボタンのついたリボンを身につけたパートナーを探す、というのがこのゲーム。




まぁ、考えようによっては、わたしみたいなのとペアになる人がいなくなると思えばよかったのかもしれない。


高槻くんは人気だから、ペアになりたいという女の子も多かっただろうけれど……。


< 139 / 247 >

この作品をシェア

pagetop