甘々王子にユウワクされて。
「ごめんごめん、ほら、携帯のライトつけるから。ね?」
そう言って本当にライトをつける木林くん。
「い、いいんですかこれ……」
「いーっしょ、だって見えないもん」
いや、この企画の趣旨が……と思ったけれど。
明らかに、段ボールでできた壁の向こうから係の生徒のものと思われる戸惑いの声が聞こえるし。
「いやあのさ、結羽にやっぱ謝らないとなー……と思って」
「謝る……?」
一体何をだろう。
からかったこと?
「俺なんかと付き合うと、ゆっくりできないでしょ。
ほら俺……こういうキャラだからさ。にぎやかな友達とかも多いし。
結羽には……合わないかなって」
わたしの予想に反して、申し訳なさそうに言う木林くん。