甘々王子にユウワクされて。



* 。☆ . * . : . + * : ゜+ 。



日もすっかり落ちたころ。



「はーっ! やっと逃げられた!」



木林くんとやってきた、というか逃げ込んできたのは、図書室。


こんな騒がしい入室は初めてしてしまった。



「大丈夫? 疲れてない?」


「はい、なんとか……」



肩で呼吸するわたしを気遣って背中を撫でてくれる木林くん。


わたしたちは逃げてきたのだ。


『ベストカップルグランプリ』なんていう、ばかげた企画の主催者から。



「出る予定だったカップルも逆にかわいそうだけどね、まぁこんな文化祭中に俺らみたいな面白いのできたらみんなそっちに目が行くか」


なんて他人事みたいに笑ってる木林くん。



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