甘々王子にユウワクされて。


「え……?」



するとわたしは、少し前の記憶を思い出した。


わたしが、なぜかこの人を”しまうまさん”だと思っていたとき。



……それってつまり、




「……侑心、くん」




名前で呼べ、ってこと?



「……っ!」



静かな部屋に少しだけ響いたわたしの声。


何度も耳にするけどはじめて口にする言葉に、なんともいえない恥ずかしさがある。



それはどうやら彼もみたいで、片手で顔を覆って動かなくなってしまった。



「ご……ごめんなさい、やめます」


つい逃げに走ってしまう。


< 226 / 247 >

この作品をシェア

pagetop