甘々王子にユウワクされて。
「え……?」
するとわたしは、少し前の記憶を思い出した。
わたしが、なぜかこの人を”しまうまさん”だと思っていたとき。
……それってつまり、
「……侑心、くん」
名前で呼べ、ってこと?
「……っ!」
静かな部屋に少しだけ響いたわたしの声。
何度も耳にするけどはじめて口にする言葉に、なんともいえない恥ずかしさがある。
それはどうやら彼もみたいで、片手で顔を覆って動かなくなってしまった。
「ご……ごめんなさい、やめます」
つい逃げに走ってしまう。