甘々王子にユウワクされて。


「それなら、その時間を自分のスキルアップに使ってほしいと思ったんです」


わたしなりに精いっぱい考えた結果だ。



「……わたしも侑心くんと一緒に夢を追いたい」



素直に、そう思ったんだ。




そう告げると彼は、一瞬切なげな顔をして、わたしを優しく抱きしめた。



「……ありがとう、結羽」


「え、あの……お礼言われるようなことなんて何も、」



優しいけれど解けない拘束に心臓が暴れだす。


そしてそのまま侑心くんは言った。




「……俺、幸せ者だなぁ……」




……好きな人にそう思ってもらえるわたしのほうが、何倍幸せなんだろう。


そう思いあえる幸せが、またわたしの胸を占める。


< 245 / 247 >

この作品をシェア

pagetop