甘々王子にユウワクされて。
「それなら、その時間を自分のスキルアップに使ってほしいと思ったんです」
わたしなりに精いっぱい考えた結果だ。
「……わたしも侑心くんと一緒に夢を追いたい」
素直に、そう思ったんだ。
そう告げると彼は、一瞬切なげな顔をして、わたしを優しく抱きしめた。
「……ありがとう、結羽」
「え、あの……お礼言われるようなことなんて何も、」
優しいけれど解けない拘束に心臓が暴れだす。
そしてそのまま侑心くんは言った。
「……俺、幸せ者だなぁ……」
……好きな人にそう思ってもらえるわたしのほうが、何倍幸せなんだろう。
そう思いあえる幸せが、またわたしの胸を占める。