甘々王子にユウワクされて。
だけどわたしも少しは変わったみたいで。
「……甘々王子の彼女を、なめないでください」
小さな声でそう呟いて、片手で侑心くんの目を覆った。
そして、ほんの少しだけ膝で立って……彼の唇にそっとわたしのを押し付ける。
初めてする、わたしからのキス。
目隠しをはずした侑心くんは驚いた目でわたしを見ていた。
わたしは彼に倣って、いたずらっぽく笑って見せた。
「これからもずっと、わたしをユウワクしてください」
そう耳元で囁いて。
Fin.